からだと暮らしを休める選択肢

膝の痛みに湯治はどう?泊まりで休む意味と運動との使い分け

栃木県宇都宮市の美容鍼・鍼専門、東京で12年この道を歩み、2013年に開院したえん鍼灸院です。

「膝が痛いときは、温泉へ行った方がよいですか」

「湯治をするのと、運動をするのでは、どちらがよいですか」

このようなご相談をいただくことがあります。

先に結論をお伝えします。

泊まりで温泉へ行くことは、家事や仕事から一時的に離れ、休養時間を確保する方法の一つです。ただし、すべての方に必要なものではなく、膝の治療や運動の代わりになるものでもありません。

移動や館内の段差、費用、慣れない環境が負担になる方もいます。湯治へ行くかどうかは、温泉の効能だけでなく、「普段きちんと休めているか」「移動に無理がないか」「動く機会が不足していないか」を含めて考えることが大切です。

湯治か運動かを二者択一にせず、今の状態に不足しているものを見極めましょう。休養が必要なら休む環境を整え、動く機会が不足しているなら、負担の少ない運動から始めます。

湯治を中立に考える

湯治で得られるものと、得られないもの

温かいお湯に浸かると、冷えてこわばった体がゆるみ、膝を動かしやすく感じることがあります。

温泉療法に関する研究では、変形性膝関節症の痛みや身体機能に変化がみられたという報告があります。一方で、効果の程度や持続期間には個人差があり、温泉だけで膝の状態が改善すると保証できるものではありません。

泊まりの湯治では、入浴以外の環境も変わります。

食事付きの宿なら、食事の支度や片付けをせずに済み、布団も用意されます。いわゆる「上げ膳据え膳」で、日常の役割から一度離れられます。

この休養は温泉宿で得やすいものですが、温泉だけに特有の効果ではありません。家事を家族やサービスに任せる、通常の宿に泊まる、自宅で休養日を設けることでも、日常の負担を減らせる場合があります。

膝への負担は、歩いた距離だけではありません

日常生活では、台所に立つ、買い物した物を運ぶ、洗濯物を干す、掃除機をかける、布団を上げ下ろしするといった動作が積み重なります。

一つひとつは短い動作でも、休む時間が少なければ、一日の負担は大きくなります。泊まりで家事から離れることが、休養につながる方もいます。

反対に、温泉までの長時間移動、館内の段差、慣れない寝具が負担になることもあります。湯治を選ぶときは、得られる休養と、移動・費用・環境の負担を比べる必要があります。

休むことと、動かないことは同じではありません

十分な休養は大切ですが、何日もほとんど動かずに過ごすと、足腰を使う機会が減ります。

湯治中も、体調に合わせて館内を歩く、短く散歩するなど、無理のない範囲で体を動かします。入浴後に動きやすく感じても、急に歩く量を増やす必要はありません。

休む時間と動く時間を分け、疲れや痛みを翌日に残さない進め方が基本です。

休養と運動を使い分ける

水中ウォーキングは選択肢の一つです

水の中では浮力が働くため、陸上よりも膝へかかる体重の負担を抑えながら歩けます。また、水の抵抗によって、ゆっくり歩いても足や体の中心を使う運動になります。

膝の変形や痛みがある方を対象とした研究では、水中運動をしない場合と比べて、痛み、こわばり、身体機能の改善が報告されています。

ただし、水中ウォーキングが全員に必要なわけではありません。利用できる施設、費用、着替えや移動の負担もあります。水中でも転倒に注意し、速く歩いたり急に方向を変えたりせず、必要に応じて手すりを利用します。

日常生活は陸上で行うため、水中運動だけで終わらせず、状態に応じて短い歩行や筋力運動へつなげることも大切です。

湯治、水中歩行、陸上運動をどう選ぶか

目的と現在の状態によって、優先するものが変わります。

家事や仕事で疲れがたまっている方

まず休養時間を確保します。温泉宿への宿泊は方法の一つですが、自宅で家事を減らす、家族の協力や家事サービスを利用する、通常の宿で休む方法でも構いません。

歩くと痛く、陸上運動を始めにくい方

水中ウォーキングが選択肢になります。膝への負担を抑えながら歩く練習ができます。痛みが強い日は無理に始めず、痛みが増えない範囲から行います。

休めているものの、動く機会が減っている方

湯治よりも、陸上での短い歩行や筋力運動を優先する方が目的に合うことがあります。距離や回数を少しずつ調整します。

疲れも痛みも強い方

最初から多くのことを行う必要はありません。まず休養をとり、強い腫れや熱感、急な痛みがある日は入浴と運動を控えます。その後、状態を確認しながら負担の少ない運動を始めます。

安全と当院の考え方

湯治を安全に行うために

熱すぎるお湯や長湯は、立ちくらみや脱水につながることがあります。入浴前後に水分をとり、浴槽からはゆっくり立ち上がりましょう。

ご高齢の方や、心臓、血圧、血管に関する持病がある方は、一人での長湯を避けることも大切です。

宿を選ぶときは、移動時間、浴場までの距離、段差、手すり、エレベーター、ベッドの有無などを確認します。

膝に強い熱感や腫れがある日は、無理に温めたり運動したりしないでください。片脚が急に腫れる、赤くなる、熱を持つ、胸が痛む、息苦しいといった変化がある場合は、入浴と運動を中止し、無理に続けないでください。

当院では、湯治を特別な治療として勧めていません

当院では、膝だけでなく、立ち上がりや歩き方、腰や股関節の動き、家事、仕事、睡眠、休養時間まで確認します。

湯治は、休養を確保する生活上の選択肢の一つとして考えます。温泉宿への宿泊を前提にせず、自宅での休み方、水中運動、陸上での運動なども含め、現在の状態と生活に合う方法を一緒に検討します。

体が疲れきっている方に、運動だけを増やすのがよいとは限りません。反対に、十分休めていても動く機会が少ない方には、少しずつ運動を加えることが必要です。

温泉だけ、運動だけ、鍼だけと一つに決めるのではなく、必要性と負担を確認しながら順番を決めることを大切にしています。

「湯治へ行った方がよいのか」

「温泉では、どの程度動いてよいのか」

「今の運動を続けてよいのか」

迷っている方は、現在のお体と生活の状態をお聞かせください。湯治を勧めることを前提にせず、安全を優先して無理なく続けられる方法をご案内します。

ご予約・お問い合わせ

ご予約は、次の3つからお選びいただけます。

ホットペッパービューティー(24時間予約可)

https://beauty.hotpepper.jp/CSP/kr/reserve/?storeId=H000694572

お電話:028-688-0431

予約メール

yoyaku@utsunomiya-en.org

※施術効果には個人差があります。

参考文献

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Heywood S, et al. Force during functional exercises on land and in water in older adults with and without knee osteoarthritis: Implications for rehabilitation. The Knee. 2019;26(1):61-72. PMID: 30611642. DOI: 10.1016/j.knee.2018.11.003

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