「ニキビにダーマペンをしてもいいですか?」
お客様からのご質問
「ニキビにダーマペンをしてもいいですか?」
宇都宮市桜の美容鍼・鍼専門 えん鍼灸院です。
日頃より多くのご来院、ご紹介を賜り、心より感謝申し上げます。
先日、お客様から次のようなご質問をいただきました。
「顎のニキビが気になるのですが、エステで“ダーマペン”を勧められました。やっても大丈夫でしょうか?」
1.炎症のあるニキビへの施術は慎重に
まず大切なこととして、赤く炎症しているニキビ(活動期)には、直接的な刺激を加える施術は一般的に控えるのが望ましいとされています。
針やローラーなどで物理的刺激を与えると、一時的に炎症が強くなったり、細菌が周囲に広がる可能性があるためです。
そのため、当院では「赤みや膿をもった部分は避けて、ケアを行いましょう」とお伝えしています。
2.「エステで使用されるダーマペン」と「医療用ダーマペン」の違い
「ダーマペン」と聞くと、多くの方が“細い針でコラーゲンを増やす施術”というイメージを持たれるかもしれません。
ただ、エステサロンで使用されるものと、医療機関で使われるものでは構造や深さが異なります。
医療機関や国家資格を持つ鍼灸師が使用するタイプは、
深さ0.5〜2.5mm程度の微細な針が皮膚の「真皮層」まで届き、
皮膚の修復反応(創傷治癒)を利用してコラーゲン生成を促します。
一方、エステで使われるものは医療機器ではなく、針ではありません。
調べてみると、「ナノサイズのピラミッド型の突起」がついたチップで、
皮膚を傷つけず、肌表面をやさしく振動・刺激する構造になっているようです。
3.深部刺激ではなく「表面ケア」に近い働き
このようなタイプの機器は、刺激の深さが約0.2mm以下で、
皮膚の一番外側(角質層〜基底層)付近にとどまります。
そのため、真皮層まで届いてコラーゲンを再生するような作用はありません。
ただし、
軽い振動による血行促進
美容液の浸透を助ける導入補助
一時的なハリや潤い感の向上
といった表面のスキンケア的効果は期待できます。
炎症性ニキビの改善やニキビ跡(瘢痕)再生に有効な深部刺激には至らないのが現状です。
「肌を整える補助的なケア」として取り入れるのは良い選択といえるでしょう。
4.「ニキビに効く」という言葉について
ナノレベルの刺激によって、肌の吸収力が一時的に高まることはあります。
しかし、炎症性ニキビそのものの改善や、ニキビ跡の修復を目的とする施術としては、
現時点で科学的な根拠は限定的です。
炎症があるうちは、まずは血流・ホルモン・皮脂分泌のバランスを整えることが大切です。
鍼灸などで自律神経を整え、皮膚の回復力を高めていくことで、
自然と炎症の落ち着きが早まるケースも多く見られます。
5.院長コメント
「“エステのダーマペン”と聞くと、針や医療用と同じような印象を持たれる方もいらっしゃいますが、
実際には肌の表面をやさしく刺激する“導入サポート”のような機器です。
炎症が強い時期はどの方法でも直接刺激を避け、
落ち着いてきた回復期に“保湿やバリア回復を助ける目的”で取り入れると安心です。
肌の状態は人によって異なりますので、気になる方はぜひご相談ください。」
※本記事は、医療・鍼灸・美容科学の知見に基づき、一般的な情報としてまとめています。
個々の肌状態により最適な施術は異なります。気になる方はご相談ください。