50代・60代からの足腰対策|歩けなくなる前に始めたい運動法

栃木県宇都宮市の美容鍼・鍼専門、東京で12年この道を歩み、2013年に開院したえん鍼灸院です。

「最近、階段がつらい」「長く歩くと疲れやすくなった」など、50代後半から60代にかけて、体の変化を感じ始める方は少なくありません。

ここでお伝えしたいのは、不安をあおる話ではありません。世界中の研究からわかってきているのは、50代後半は単に衰えていく年齢ではなく、運動によって足腰の力を取り戻せる可能性が高い、大切な時期であるということです。今から始めても、十分に間に合います。

なぜ今、足腰の運動が大切なのか

歩く力、立ち上がる力、バランスを保つ力は、年齢とともに少しずつ低下していきます。そのままにしていると、転倒や骨折をきっかけに、外出や日常生活の自由が制限されてしまうこともあります。

一般的には、体力が大きく落ちてから運動を始めるよりも、早い段階から取り組むほうが効果を実感しやすいとされています。50代後半から60代は、まだ体が運動に反応しやすく、始めるのに適した時期といえます。

世界の研究でわかっていること

筋力トレーニングで力と動作が戻る

足腰の運動というと、太ももやふくらはぎの筋肉の量を増やすイメージを持つ方が多いかもしれません。

しかし、複数の研究をまとめた報告では、まず「歩く速さ」や「椅子から立ち上がる力」といった動作のほうが先に改善し、筋肉量が増えるのはその後であることが示されています。

筋肉量の数字に一喜一憂しなくても、力や動きのほうが先に良くなっていく傾向があります。

バランス訓練を取り入れると転倒が減る

イギリスのスポーツ医学の専門誌に掲載された大規模な報告では、運動によって転倒が約21%減ることが示されています。

特に、バランスをとる練習を取り入れ、週に合計3時間以上運動すると、より大きな効果が期待できるとされています。

WHOがすすめる運動の目安

WHO(世界保健機関)は2020年、中高年から高齢の方に向けた運動の目安を示しました。

  • 週150〜300分の早歩きなどの運動

  • 週3日以上の筋力運動やバランス運動

一度にまとめて行う必要はありません。毎日少しずつ取り組み、この目安を意識すると、運動の計画を立てやすくなります。

痛みがあっても、正しく動かすことが大切

「膝が痛いから、動かさないほうがよい」と考える方もいらっしゃいます。

しかし、変形性膝関節症の方を対象にした49件の研究をまとめた報告では、運動を続けても軟骨のすり減りが進んだり、手術が必要になったりする割合は増えなかったとされています。

腰の痛みについても、高齢の方を対象にした研究では、運動を続けることで、痛みや日常生活のしづらさが改善したという報告があります。

もちろん個人差があり、運動後に一時的な痛みが出る場合もあります。そのようなときは、運動をすべてやめるのではなく、運動の量や方法を調整することが大切です。

食事のひと工夫も運動を後押しする

毎食たんぱく質をとり、ビタミンDもあわせてとることで、筋力トレーニングの効果が現れやすくなるという報告があります。運動と食事をセットで考えると、より効率よく足腰を支えられます。

また、太極拳のようなゆっくりとした動きの運動も、バランス力と腰の痛みの両方によい影響を与える可能性が、複数の研究をまとめた報告で示されています。運動が苦手な方の入り口としても取り組みやすい方法です。

今日から始められる運動メニュー

下肢の筋力トレーニング

週2〜3回を目安に行います。

  • 椅子からの立ち座り

  • かかと上げ

  • もも上げ

  • お尻上げ

お尻上げは、あおむけで膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げる運動です。それぞれ10〜15回を1セットとして、2〜3セット行います。「少しきつい」と感じる程度を目安にしましょう。

バランス訓練

週3回を目安に行います。

  • 片足立ち

  • 足を交互に前後へ置く、つぎ足歩き

  • 段差の昇り降り

片足立ちは、最初は壁や手すりにつかまって行っても問題ありません。転倒しないよう、安全な場所で取り組んでください。

有酸素運動

週合計150〜300分を目安に行います。

  • 早歩き

  • 自転車

  • 水中歩行

膝が痛む日は、水中運動や自転車など、膝への負担が比較的少ない運動に切り替えるのもひとつの方法です。

簡単なセルフチェック

椅子から立ち上がるまでにかかる秒数や、片足立ちを続けられる秒数を、月に1回程度測ってみましょう。

「今の状態を保てている」「少しずつ戻ってきた」という実感が、運動を続ける力になります。

安全に始めるために

多くの方にとって運動は安全に行えるものですが、次のような場合は、運動量を増やす前に医療機関へご相談ください。

  • 心臓、血圧、腎臓などに持病がある方

  • 運動中に胸の痛みや強い息切れを感じたことがある方

  • 腰の痛みとあわせて、足に力が入りにくい、排尿の感覚がおかしいなどの症状がある方

このような症状がある場合は、運動よりも先に医療機関を受診してください。

当院の関わり方

当院は美容鍼のイメージを持たれることが多い鍼灸院ですが、鍼灸を中心に、体の痛みや動きにくさに対する運動指導や生活習慣のご相談にも力を入れています。

膝や腰の状態、日々の生活で感じている負担を伺いながら、無理なく続けられる運動プランを一緒に考えます。

ご来院の際には、運動を続けやすいかどうかを確認し、必要に応じて内容を調整していきます。「何から始めればよいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

ご予約について

ご予約は、次の3つの方法からお選びいただけます。

※施術効果には個人差があります。

参考文献

  • Wang H, et al. Efficacy of Exercise on Muscle Function and Physical Performance in Older Adults with Sarcopenia. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2022.

  • Sherrington C, et al. Exercise to prevent falls in older adults: an updated systematic review and meta-analysis. British Journal of Sports Medicine. 2017.

  • Sherrington C, et al. Exercise for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2019.

  • Zhang Shi-kun, et al. Effects of exercise therapy on disability, mobility, and quality of life in the elderly with chronic low back pain. Journal of Orthopaedic Surgery and Research. 2023.

  • Zhao K, et al. Exercise prescription for improving chronic low back pain in adults: a network meta-analysis. Frontiers in Public Health. 2025.

  • 変形性膝関節症患者における運動療法の長期的安全性に関する系統的レビュー。Osteoarthritis and Cartilage誌。49件のランダム化比較試験を統合。

  • WHO(世界保健機関)「身体活動・座位行動に関するガイドライン」2020年

  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」