腱鞘炎:~ドケルバン病、バネ指、弾發指、肥厚性腱鞘炎、狭窄性腱鞘炎~
腱鞘炎は、特定の腱を動かした際に痛みが生じる症状。
これは摩擦が増えて、腱の通路(腱鞘)が炎症し腫れている為です。
腱が動いて、腫れている場所にあたる度に、突然ビキッ、ズキッと痛みます。
親指を動かす時に痛みを訴える方は多いようです。
腱鞘炎の痛みは、特定の腱を動かした際に痛みます。
摩擦が増えて、腱の通路(腱鞘)が炎症し腫れている為です。
腱が動いて、腫れている場所にあたる度に、突然ビキッ、ズキッと痛みます。
以下
概要、機能、症状、メカニズム、原因、治療の順にお話していきます。
腱鞘炎の概要
腱鞘炎とは
腱の通行障害の一つです。
腱と腱鞘が、何らかの原因(機械的刺激)で、摩擦が増えて炎症した状態です。
腱鞘部で、腱の通行が障害されて起こす炎症の総称をいいます。
炎症で、腱鞘が厚くなり、腱の通路が狭くなる事から、肥厚性腱鞘炎、狭窄性腱鞘炎とも呼ばれます。
主に指の曲げる筋肉の腱鞘で生じるカクンとしたり、戻り難い症状を、バネ指、弾發指(だんぱつし)といいます。
これは、腱鞘炎が進行して出現する症状です。
ドケルバン病は、後述します。
※炎症とは、免疫反応の一つです。
何らかの異常がある際に起こる反応です。
腱の機能と腱鞘
親指を伸ばす筋肉の腱鞘炎を、ドケルバン病といいます。
筋肉はちぢんで腱をひき、骨を動かし関節が動いています。
腱は、筋肉の力をスムーズに正確に、骨に伝える為に2つの特徴を持っています。
一つは、強度です。
筋肉の力に抵抗できる、強靭な線維で出来ています。亀裂には大きな力を要します。
もう一つは、補助機構を備えています。
腱鞘は、腱の補助機構の一つです。
場所は、主に手足の関節にあります。
半円の滑車のように腱の浮き上がりを抑え、筋肉の縮む力を骨にスムーズに伝えます。
手指の腱は、全てこの腱鞘を通っています。
伸ばす腱の腱鞘は、主に手の関節で手甲側にあります。
曲げる腱の腱鞘は、主に指の関節で手掌側にあります。
親指を伸ばす筋肉の腱は、手の関節(第一コンパートメント(区画))を通ります。
親指を伸ばす筋肉の腱は、短母指伸筋の腱、長母指外転筋の腱です。
ここで生じる腱鞘炎を、ドケルバン病、ドケルバン症候群といいます。
腱鞘炎で発生頻度が高い為に、発表者の名前がついています。
発生頻度が高い理由は
- 足の指に比べ、手の指は使用頻度が高い。
- 親指は、他の4つの指に比べ、多方向に動く為に障害しやすい。
- 第一区画の腱鞘は、2つの腱を分ける壁があり、腱の通路が狭くなりやすい。
などがあります。